木のおもちゃ作家がやるとこうなる|幼稚園の先生への研修

木のおもちゃ作家 あるみです。

先日、フレッシャーズの幼稚園の先生たちへの

研修会で、講義とワークショップをやってきました。

フレッシャーズなので、ほとんどが20代前半のピチピチ女子!

もちろん私にだってそんな時代はあった!

そんな若き先生たちに、どんな事を話せばいいのか、

直前まで悩んでいましたが、

あの頃の自分に伝えたい事を話す事にしました。

固定概念をくつがえす一日を!

京都府私立幼稚園 新採用教員研修会は

年間通してプログラムされており、

夏休みの3日間の集中講座の1日分。

講義の内容は?

午前中に

・あなたの想像力の鍛え方

・潜在意識の話

・森と子ども達の関係

・子どもと遊ぶとは

・大人の影響力

・すべてはあなたの想像力次第

というお話しをしました。

園児たちから絶大な信頼を得ている先生から

ぜひとも子ども達に伝えて欲しい内容を

モリモリに盛り込みました。

(特に森のお話しは)

工作の内容は?

午後からは実践として

想像力をフルに発揮させるワークショップを。

固定概念をくつがえす工作。

ほとんどの先生が、

使うのは小学校以来という、

糸ノコ盤を駆使してやってもらいました。

幼稚園の先生達にとって、

「工作」は日常だと思います。

でも、ここはちゃんと「木工」をやってもうために

機械や道具を取りそろえ、

「ボンドで貼り付ける」以外の作り方を体験してもらいました。

園でも使えるテクニック満載です。

何を作ったの?

”固定概念をくつがえす” をテーマにしましたので、

こんなものを作ってもらいました。

「○○かもしれない仮面」

一番の意図は、

作った仮面で園児達に、

「先生じゃないかも知れない!?」

と思ってもらえること。

いつもの当たり前の日常が

違ったらどうなる??

先生かもしれないけど、

なんか今日はちょっと違うかも知れない!

うわどうしよう〜!楽しぃ〜!ってね。

固定概念はくつがえる?

若い女の子たち。

一番くつがえしてほしかったのは、

自分自身の殻。

「え〜、こんなん言ったら恥ずかしい」

「ちょっとヘンになっちゃったから恥ずかしい」

「ここはこうだと思うけど、言ったらヘンだと思われそう〜」

「そもそも仮面なんて恥ずかしい〜」

女子あるある。

でもそれって、本当にヘンなの?

恥ずかしいことなの?

子どもってそういう事をまず気にしないから、

あんなにノビノビしてるんですよね。

大人もそうすればいいじゃない!

↓ワークショップ後に班ごとにまとめられたドキュメンテーション。

「言ってみたら、案外他の人は感心してくれた!」

という感想は多かったです。

みんな、アナタのホントのところを知りたいんですよ。

と、こんな一日を体験してもらいました。

終了後のアンケートも丁寧に書いていただき、

ちゃんと120人分全部読ませていただきました。

今後の糧となる感想をたくさんいただき、ありがたいです。

いくつかの質問がありましたので、

ここに回答も載せておきます。

一問一答 おもちゃ作家の回答

<自己啓発・意識改革について>

・未来を恐れないで自分の好きな事をやり通す為に一番大切なものは?

こういう質問好きです(笑)
「自分を信じる事」だと思いますよ。
自分に偽りなく、信じぬけるかどうか。
本当に真剣にやっている人間に対しては、必ず助けてくれる人が現れます。

・やってみたいと思った事にチャレンジする時、何からすればよいのか分からない

それの為に「今できること」をやる。
そうやっているうちに、いろいろ見えてくるので、まずはやる。
今できる事が分からないなら「人に聞く」

それもピンとこないなら、
思っていることを全部「紙に書く」
だまされたと思って、書いてみてください。
全部ですよ。
驚く事に、今やるべきことがそこに書かれているはずですから!

<森について>

・なぜ森に興味を持ち、好きになったのか(2名)

講義でも話しましたが、普段扱っている木材が、実は生身の木だった!
という気づきに衝撃を受けたからです。
この一枚の板は、生きていたんだ!そして周りには仲間がいっぱいいたんだ!
と思えたからです。長い旅を経て、私の所にやってきたと思うと愛おしいです(笑)
そして黙ってそれを育んだ「森」という場所に敬意すら感じます。

・森は人の手を加えなければどうなってしまうのか(2名)

一度も手を加えていないのなら、大いなる自然の循環の中で保たれます。
原始林と言われるものがそれです。
講義でも話したとおり、一度手を加えた後に、放置したものが今の日本の現状です。

・森の活動に必要なもの。どのような事をしているのか。(4名)

子ども達と森で活動する事についてですね。
必要なのは子ども達の自主性です。
自分たちで決めてやらなければ、何も始まらないんだという状況を作る事です。
大人はそれに従ってただ見守るだけです。子ども達を信じる気持ちが試されますね。

・森がない所で森を感じる方法

この質問、面白いですね!
感じて、何を得たいのか分からないですけど、ただ「感じたい」のなら、
目を瞑って、森の中にいる自分と、鳥の声や風の音、匂いなどをリアルに想像することですかね。
瞑想ってことですね。森の音を集めた音源を聞くのもいいですね。
想像ができないのなら、絵本や写真などを見て、音を聞くと五感に働きかけるので感じやすいかも。

<おもちゃ・あそびについて>

・作品作りにこだわっている事は何?

「私らしい事」と、おもちゃの場合は「安全性」です。
自分らしさを作品に出すのは「我」を通すという意味ではなく、
「これを相手に渡せるか」という事です。
受け取る人のニーズと自分の表現に納得できなければ、
それはどこか「自分らしくない」要素が含まれてしまっているのです。

・おもちゃを作る時のインスピレーションや遊び方を考えるきっかけはどんなもの?

えー!難しい質問です。だってインスピレーション(閃き)ですから!
あえていうなら、一瞬の閃きを逃さない事です。
マニアックな話になりますが、
「閃き」って自分の中から出て来たように思えて、
実は潜在意識からのメッセージなんです。
講義でも話しましたが、いかにそれに従うかですね。
「あ!」と思った思った時、否定しないってやつです。

・どんな木のおもちゃに出逢ったか

どんな・・・。かわいいのとか、おもしろいのとか、感心するのとかですよ。
ドイツでおもちゃ行脚をしていた時、
ふらりと行ったお隣のチェコには、なぜか心ひかれるおもちゃがたくさんありました。

・木とプラスチックのおもちゃの違いは?(2名)

五感に訴えるものがあるかどうか。だと思います。
プラの弊害なども言われていますが、一番大きな違いは、
木が「生き物」だという事です。
無意識のうちに、本質的な事を肌で知れるかどうかですね。

・遊びを引き出すための声かけは、どんな事を言えばいいのか

「何に見える〜」とか聞いてみたらいいんじゃないですか?
自分と違う意見だったら、「私はこれに見えたよ」って言えば。
その後の会話が勝手に新しい遊びに誘導してくれると思います。

新しい観点を伝えたいのなら、ヒントになる様な事を言う。
「こんなのどう?」といって気づいてもらう。
それが意図しない展開になっても、それはしめたものなのでは?

・誰でも簡単にできるちゃうおもちゃ(4名)

対象年齢にもよりますが、
私が実際に作って我が子がめちゃくちゃ気に入っていたものを紹介します。
赤ちゃん期のおもちゃです。
マヨネーズの空き容器(小さめがよい)に小さい玉(木球・大豆なんでもいい)を10個ぐらい入れる。
容器のくびれあたりに長さ20cmぐらいの太めの紐を結ぶ。以上。
軽くて取り回しがいいし、音もなるし、紐をしゃぶれるし。
我が子の写真にはこのおもちゃがよく写っています。(私の木のおもちゃよりも!)
中にカラフルな玉を入れると尚喜びますね。

・幼児でもほとんど自作できて、人気のおもちゃ。(4名)

幼児が「ほぼ自作」っていうのはなかなかの難関なので、
関わり度合いにするといいかもですね。
「ほぼ自分で用意」ならできますね。
同じ種類のものを沢山集めることです。何でもいいです。
石とか枝とか、かまぼこの板とか。
同じ種類のものが沢山あると、おのずと、並べる、積む、繋げる、とかの遊びに発展します。
ごっこ遊びやゲームもできます。「自分で作った遊び」の完成です。

・おもちゃの材料を地元(加茂町)で探すことは?

製品を作るためには、ある程度まとまった量がいつでも手に入る必要があるので
偶発的なものは使えないのですが、
それをワークショップやオーダーメイド作品に使う事はありますよ。

・実際にどんなおもちゃを作っているのか(9名)

パンフレットかHPを見て下さい!arumitoyで検索を!
講義中に紹介できなくてすみません。ご来店いただければ説明もしますよ。

<ワークショップについて>

・ワークショップはなぜ「仮面」だったのか(2名)

ウケる!
意味はありません!(笑)
しいて言うなら、自分で「おもしろい!」と思ったからです。
だって、そんなワークショップ他でやらないだろうから。

自分で、おもしろいと思えないなら、やらないことです。
自分で思えないのに、他人を楽しませるなんてできませんから〜。

・この仮面はさっと水洗いしてもいいのですか?

「さっと」なら大丈夫です。ジャバジャバ水かけないでください。
そしてちゃんと乾かしてください。
でも・・なぜ洗うのでしょうか(笑)

・糸ノコの上手な使い方。

練習してください。だれでも上手くなります!

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