まな板削りだしイベントを経て、まな板を語る木材フェチ
こんにちは。木材フェチで木工アーティストのあるみです。
ピーカンに晴れた12月最初の土曜日、私の思いつき企画
『まな板削り出しイベント』をやりました。
事前お預かり分を含め、工房にまな板が積み上がりました!
before/afterで一目瞭然
もう、あれこれウンチクを述べる前に、
どんな風によみがえったのかご覧ください?
before after
before after
before after
いかがですか?
なんということでしょう〜!と言いたくなりますね。
あまりの激変ぶりに、みなさん一瞬
「え⁉️」
ってなるんですけど、どこかしらに見覚えのある傷や印を探して、
「あぁ、確かにウチの子だわ?」
って納得されていました〜?
まな板は「厚み」命
今回、一番たくさん削った板は、8mmでした。
だいたい4~5mm削った板が多かったですね。
ということは、厚み30mmの立派なまな板で25mmになるってことです。
条件ギリギリの厚み15mmを持ち込まれた方が3人もいて、
そのまな板たち、最終的に10mmとかになっちゃうんです。
もはや、板。
ただの板。
どう見てもまな板には見えませんでしたよー?
やはり、まな板は厚み命かと思われ・・
ある程度の厚みは、切った時の衝撃を吸収してくれます。
それって手首の負担を減らせます。
私のように、手をよく使う仕事をしている方など、
1日の終わりの夕飯時には、もう手を酷使したあとで、
箸を持つのもだるい時ってあると思います。
そんな状態で、うっすいまな板でにんじんでも切ろうもんなら、
「今日はもう、まるかじりしてくれー!」
とか言っていいぐらい、手首に衝撃走ります。
普段そんなに手は使わなくても、
お正月準備とか、お誕生日とかの家族イベントで
いつもより長時間包丁にぎる時とかも同じです。
ていうか、毎日毎日ご飯つくっている方は、
日々の積み重ねで思っているよりタメージくらっています。
包丁に合った樹種を選ぶ
日本のまな板は、イチョウ、ヒバ、ヒノキあたりが主流です。
木ならなんでもいいのかというと、そうではなく、
用途に応じた樹種を選ぶのが大切です。
まな板というのは、包丁とセットで考えないといけませんね。
ここは日本ですから、和包丁です。
和包丁は、押して切る。
ちなみに洋包丁は、引いて切る。
押して切る、とは、
押した分の力は、分散されることなく、一番下の板まで届きます。
その時に、板が堅いと力が吸収されずに跳ね返ってきます。
同じ角度で跳ね返ってくるので、手首を直撃するのです。
柔らかい板は跳ね返せず、力は吸収されるというわけです。
床の上で跳ぶのと、布団の上で跳ぶ違いと同じです。
だから、お使いの包丁が和包丁なら、
厚みのある、やわらかい木のまな板が絶対おすすめですよ?
今回、固めの板も何枚か削りましたけど、
この説明したら、
「そうやねん!手首、痛いねん!」
て言ってるヒトいました。
そりゃそうだ。
厚みがあっても、木でできていても、
使う相手(包丁)が違えば、選ぶモノも違ってくるのです。
大きさも大事
まだもうちょっと語らせてください。
まな板の大きさ、それは料理の作業スペースと言っても過言ではない。
今回、朝一番に乗り込んできた友人。
育ち盛り3人の子ども達との5人家族。
どんなまな板持ってきたのかと思っていたら、
「え?まじ?これで5人分のご飯作ってるん⁉️?」
ていう大きさ。たぶんA4サイズぐらい?
そして薄い・・・??
わが家(3人家族)の分厚くて大きなまな板が、罪のように思えてきました?
あまりにも驚く私を見て、ようやく友人は、
まな板のサイズがオカシイ事に気づいたようで、
「みじん切りとか、千切りとかが大嫌いな理由が分かったわ!まな板が小さいから切ったそばから落ちるねん!だからや!」
そりゃ、落ちるでしょうよ。
それ、りんご専用にしなはれ・・・
使い込まれたそのまな板、削ったら、厚み10mmになりました?
あの子たちのごはん、今日もあの板で作っているのかと思うと不憫でたまらん??
彼女のために、またヒノキを仕入れようと思うぐらい。
ひとまず彼女には、「不憫大賞」を授与?
別の方で、arumitoyのサイズオーダーのまな板をご注文くださった方。
「せっかく大きい木を小さくするのは忍びないので、できるだけ大きいサイズで。」
とオーダーされました。
じゃぁ、MAXサイズでと返事したのですが、
カットしてみたら、重すぎる?
計ってみたら2kg越え。
これ毎日出し入れできないわ?♀️
ということで、ある程度の大きさに収めました。(それでも板前さんサイズ?)
ご家庭の台所スペースとの折り合いをつけつつも、
ある程度は大きいサイズがいいと思います。
ワークスペースが広いっていうのは、ココロにも余裕が生まれますし。
ただ、大きすぎると今度は重さの問題が発生するので、『ある程度』です?
ヒノキ推しの理由
通常arumitoyでは、まな板は販売していないのですが、
「よい」ヒノキが手に入った時に、サイズオーダーで承ることがあります。
まな板にするぐらいですから、水に強くなくてはなりません。
すぐにカビたり腐ったりしても困ります。
毎日の過酷な使用に何年も耐えねばなりません。
それでいて、↑につらつら書いたような条件も満たさないといけません。
それを叶えるのがヒノキかと思います。
何十年も使えるとしてコスパを考えた時にも、ヒノキかと。
ヒノキは独自の油分を含んでいるので、水にも強いし、
その油分に殺菌効果があるので、カビにくいんです。
しかしながら、木材フェチ的には、
まな板に一番いい樹種は、「ヒバ」だと思っています。
でもここ京都では手に入りにくく、かつ高級材なので、
その次の選手、「ヒノキ」をおすすめしています。
木のまな板はサスティナブル
木のまな板をサスティナブルと言わずして、何と言うのか⁉️
サスティナブルの見本のような子ですよ。
今回のイベントでもお解りいただけたように、
20年使ったまな板も、新品同様によみがえりました。
ここからまた20年使える。
最後は土となり、次の命に繋がります。
先日、EUで、フェストファッションの取り締まりが始まりました。
大量生産、大量破棄、辞めましょうっていうやつ。
毎日使うまな板、
捨てるしかないプラスチックより、木に替えてみませんか?
まな板って いろんな表情があるんですねぇ
知らない事たくさん教えて頂けました😊
うちの子が美しくなって台所に戻ってくる
って嬉しいものですネ💓
ありがとうございました🙏
お持込いただきましてありがとうございましたー!
美しくなりましたよね😆
愛着もってまだまだ使い続けてくださいね〜。