この夏、アトリエを閉ざして何をしているかというと、約2年ぶりにドイツにやってきています。ココでしか制作できないかせきごっこを作りに来たのはもちろんのことですが、今回はろくろ技術を身に付けて帰りたいと思っています。ただ、ノベルトはろくろのプロじゃないので、ろくろ師のところで新たに修行です。果たして技術を習得することはできるでしょうか。夏が終わる頃には答えが出ているでしょう。
さて、正確には1年と8ヶ月ぶりのドイツは変わらずここにありました。街も匂いも自然も人もみんな。ただちょっぴり人は大きくなっていて、でも中身のホントの部分は変わっていなくて。そしてみんながみんな「おかえり」と言ってくれました。
ノベルトのアトリエも昔とおんなじ匂いがして、でもさらに進化していて、新しいマシンが増えていたり、増築されていたりと前とはちょっと違っていました。でも、これら全部ノベルトが自分でやったんだなぁということは簡単に想像できました。いざ仕事を始めてみると結構忘れていることが多くて、「なんだ、もう忘れてしまったのか!?」と言われる事多々。日本での気ままアトリエ仕事に慣れっこになってしまっている身には、ノベルトの下での10時間労働はあるみ氏を早々に眠りに誘います。ノベルトのお手伝いをする日とarumitoyの仕事をする日は、アトリエの状態や状況によって臨機応変に決めます。こういう事ができるのはノベルトのアトリエならではかなと思います。ノベルトとだからこそ出来る事なんだと思えます。過去の2年間があるからこそ、今ここにいる。自分のやってきた事が今モノを言っているようで、間違ってはいないことを教えてくれている気がします。
ドイツの経済状況は以前よりも悪くなっていました。たくさんの会社は潰れ、若者の就職難は過去最悪で、失業率も上がり、1ユーロショップができ、市場には低品質低価格のものばかりが出回っている事態です。これに伴い、ドイツの誇る職人達は職を奪われてしまいました。一流の技術を持った職人達は、今や他の仕事を探さなければいけなくなっています。あるみ氏が以前にお世話になったろくろマイスターも今では副業程度になってしまっています。なんとも悲しい話です。
クリエイティブを仕事にするには、人並みでは生きていけないという事を強く感じさせられました。一流の技術を持ち合わせていても、それを上回るオリジナリティーを表現できなければクリエイターにはなれはしない。自分にしかできない事をやりたいと常々思っているあるみ氏はどこまで進むことができるでしょうか…。久々のドイツはそんな事を考えさせてくれました。
(update 2005.07.20)